進学アドバイザー尾方の学校案内 - 森村学園

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森村学園

2025.10.07

横浜市郊外の緑に囲まれた学校


今年は、スケジュールが合って、森村学園への訪問が出来ました。


コロナ禍もあったため5年ぶりの再訪です。


森村学園は、ノリタケやTOTO、日本ガイシなどの企業を擁する森村グループの学校で、建学100年以上、中学高校は約80年の歴史を持つ伝統校。共学校です。幼稚園と初等部(小学校)も同じ敷地内にあり、緑に囲まれた約8万㎡(東京ドームの約1.8倍)の校地が広がっています。JR横浜線長津田駅からは徒歩15分弱、東急田園都市線つくし野駅からなら徒歩5分。学校の周囲は住宅街ですが、緑地も多く、多摩地区の学校の特権とも言える「広くて、静かな環境」を備えています。


2022年から校長を務めていたマックスウェル先生から代わって、2025年からは岡真由美先生が校長に着任されました。先代マックスウェル先生と先々代の江川先生は外部から招聘された校長だったのですが、岡先生は学園奉職30年目のベテランです。なお、教頭の小澤先生も長年にわたり広報部長として活躍されていた方で、お二人ともまさに「生え抜き」。広報部長の浅沼先生は美術部の顧問もなさっている芸術科の先生で、すばらしいプレゼン力の持ち主。さらに、若い先生方も快活で、授業のようすは以前と同様に活気ある雰囲気で展開されていました。




日本版ランゲージアーツ


ICT教育や外国語教育、課題解決型学習など、時代の要請に沿った教育特色に加え、この学校の独自の取り組みの1つに「ランゲージアーツ」があります。この「ランゲージアーツ」は、もともとは三森ゆりか氏のつくば言語技術教育研究所の「言語技術」をベースに行っていました。(現在、近隣の私学では、サレジオ学院や玉川学園などでつくば言語技術教育研究所のテキストを用いた授業が運営されているようです。)卒業生に話を聞くと、中学生の時には少し戸惑う子たちもいるようですが、「高校生になると、『相手にいかに伝えるか』ことを学ぶ点が、小論文を書くための基礎トレーニングになっていたんだと気づく」と話す子もいます。私自身、森村学園の国語科の先生からレクチャーをしていただいたことがあります。「フランスの国旗を知らない人に、どのように言葉で伝えるか」という題材から始まったそのレクチャーはとても興味深く、「これは大人のプレゼンスキルを上げることにもつながっていくな」という感想を抱いた記憶があります。この「言語技術」を森村学園では2024年から内容を刷新しています。「構造分析」「レトリック」「ディベート表現」「論文」と、従来の「言語技術」に加えて、日本人のメンタリティにも配慮した「日本版ランゲージアーツ」として昇華させたようです。異文化理解や、前提(立場)の異なる相手との「対話する力」の向上が求められる昨今の状況と、子どもたちの将来を踏まえたアップデートがなされたと私は考えます。




生徒の動線に配慮した校舎


校内も見学させていただきました。最後の訪問から5年経っているものの、廊下、教室、窓と、校舎内は清潔に保たれています。水回りは当然TOTOで、家庭科で使う食器はノリタケ製。森村グループですから。図書室には自習スペースがあるのは当然として、中庭に面したスペースにもテーブルと椅子が設えてあり、高校生たちはそこでも自習をします。現在の校舎へ建て直しが行われた際に、生徒たちの動線を考えて意図的に作られたスペースで、「図書館の奥の自習室で勉強する方がパフォーマンスが上がるタイプの生徒と、他者に見られる方が承認欲求が満たされてパフォーマンスが上がるタイプの生徒がいます。また、上級生が勉強している姿を見ることで、下級生も刺激を受けるようです」当時の校長である高橋先生はそのようにおっしゃっていました。この「生徒の動線を考えた設計」は、たとえば晃華学園(女子校)の校舎でもなされていて、中学1年生の動線を第一に考え、「中1を見守ることができる教室配置」になっているそうです。




絵画をはじめとした展示物のレベルアップが意味することとは?


さて、今年の訪問でもっとも印象に残ったのは、生徒の手掛けた展示物のレベルが格段に上がっていたことです。(毎年3月にアートフォーラムあざみ野で行われる美術部の展覧会はなかなか見応えがあります。)また、絵画は言うに及ばず、工芸作品、書、そして総合学習などの研究発表も。森村学園には書道部はないようですから、書に関しては学習発表です。


もちろん、よくできているものを展示しているのは間違いありませんが、以前に掲示されていたものも「よくできていたもの」のはずです。そのレベルが上がっているのは、個性を承認してくれる他者(他の生徒や教員)の存在が大きく寄与しているからと思われます。この学校を卒業した塾生の意見に共通しているのは、「穏やかで、生徒同士の仲がいい」ということ。大学進学を前提とした学習支援の重要性もさることながら、「自分の『好き』」を認めてくれる人が多いこと、それを大人(教員)が支えていることも学校の存在理由の一つであることを感じさせてくれます。


Let'sは四谷大塚準拠塾です